ACWR(Acute : Chronic Workload Ratio)とは

アスリートのパフォーマンス向上や外傷・障害を予防する上で運動負荷のモニタリングは重要な役割を果たします。運動負荷のモニタリングの1つの指標とされているのが、「ACWR(Acute: Chronic Workload Ratio)」です。

ACWRとは

「ACWR(Acute: Chronic Workload Ratio)」とは、過去7日間にどれだけの負荷量をこなしたか(急性負荷:「Acute」)と、過去28日間にこなした週平均の負荷量(慢性負荷:「Chronic」)の比率です。この値が0.8〜1.3「Sweet Spot」)に収まるように運動負荷を管理すると外傷・障害発生のリスクが抑えられるというものです。また、「ACWR」の値が1.5「Danger Zone」)を越すと外傷・障害のリスクが高まるとされています。※1

例えば、アスリートAの過去28日間の平均運動負荷量が4000m、直近7日間の平均運動負荷量が5000mの場合、「ACWR」の値は”1.25”と算出されます。

 

ACWRの統計方法に、新たに「EWMA(指数加重平均)」を採用しました

ONE TAP SPORTS内で利用できるACWRの統計方法として移動平均(Acuteのみ加重)*に加えて、EWMA(指数加重移動平均)を用いた統計方法を追加しました。(アップデート2024年1月)

EWMA(指数加重移動平均)を用いる統計方法では、「Acute」「Chronic」のそれぞれの期間に対して、直近の運動負荷が過去の運動負荷に比べて「重み」が大きくなります。

いくつかの研究では、EWMA(指数加重移動平均)を用いる方法がより高い感度と正確性を示すと言われており採用しました。※2-4

2024年12月13以降に作成されたチームアカウントはデフォルトでEWMA(指数加重移動平均)が適応されています。
移動平均(Acuteのみ加重)からEWMA(指数加重移動平均)を用いた統計方法へ変更する方法は以下の記事をご覧ください。

ACWRの統計方法を変更する

 

EWMA(指数加重移動平均)の計算式

EWMA(today)= λa * Load(today)* λa +((1-λa)* EWMA(yesterday))

λa = 2/(N + 1)

(Nに対して、Acuteの場合:7、Chronicの場合:28を代入してそれぞれ計算を行う)

 

*:移動平均(Acuteのみ加重)の「Acute」「Chronic」の算出方法

Acute :当日load*0.35+1日前load*0.25+2日前load*0.15+3日前load*0.0625+4日前load*0.0625+5日前load*0.0625+6日前load*0.0625
Chronic:直近28日の平均load

 

参考文献

※1:Blanch, P., & Gabbett, T. J. (2016). Has the athlete trained enough to return to play safely? The acute: chronic workload ratio permits clinicians to quantify a player's risk of subsequent injury. British journal of sports medicine, 50(8), 471-475.


※2:Murray, N. B., Gabbett, T. J., Townshend, A. D., & Blanch, P. (2017). Calculating acute: chronic workload ratios using exponentially weighted moving averages provides a more sensitive indicator of injury likelihood than rolling averages. British journal of sports medicine, 51(9), 749-754. 

 

※3:Williams, S., West, S., Cross, M. and Stokes, K., 2016. Better way to determine the acute: chronic workload ratio? British Journal of Sports Medicine, pp. bjsports-2016-096589.

※4:Hunter, J., 1986. The exponentially weighted moving average. J Quality Technol,18(203), p.10.